男性の泌尿器科

男性の泌尿器科について

男性の泌尿器科について泌尿器科では、尿を作って体外に排出する腎臓・尿管・膀胱・尿道といった泌尿器と、男性の生殖器である前立腺や精巣などを専門的に診察しています。泌尿器や生殖器の不調・疾患は男性に多く、デリケートな問題ですので、当院ではどのようなことでも安心して相談できるよう丁寧なカウンセリングを行い、患者様のお考えを伺いながら治療しております。
なお、当院では泌尿器や生殖器の不調や疾患だけでなく、EDのご相談、などにも対応しています。お気軽にご相談ください。

こんな症状はありませんか

など

検診で血尿やたんぱく尿を指摘されたら

血尿について

尿に血液が混じっている状態で、腎臓・尿管・膀胱・尿道といった尿路のいずれかの部位で出血していることが疑われます。目で見てわかる肉眼的血尿と、尿検査ではじめてわかる顕微鏡的血尿に分けられ、顕微鏡的血尿は目では見えないことから潜血と呼ばれ、健康診断などで受けた尿検査で指摘されます。
肉眼的血尿があった場合は、できるだけ早めに当院までご相談ください。初期の膀胱がん・腎臓がんでは痛みや排尿障害などを起こさずに肉眼的血尿の症状を起こすことがあります。他に症状がなくても速やかに受診してください。また、顕微鏡的血尿の指摘を受けた場合も、こうした病気の可能性がありますので当院へご相談いただき、検査を受け、出血の原因を確かめることをお勧めします。

血尿について

たんぱく尿とは

たんぱく質は分子量が大きく、本来腎臓の糸球体で血液をろ過する際に通り抜けてしまうことがほとんどありません。たんぱく尿であった場合、特に異常がなく一過性のたんぱく尿ということもありますが、慢性腎炎など糸球体の疾患も疑われます。尿中のたんぱく質が1日に1g以上で慢性腎炎が疑われ、3.5gを超えるとネフローゼ症候群と診断されます。ネフローゼ症候群では血液中のたんぱく質が不足してむくみや体重の増加を起こします。健康診断で受けた尿検査でたんぱく尿を指摘された場合には速やかに当院までご相談ください。

男性の泌尿器科で主な診療対象となる疾患

前立腺肥大症

前立腺は精液の一部である前立腺液を分泌し、精子に栄養を与えて保護する役割を担っています。膀胱の下にあって尿道や精管を取り囲むように存在しているため、前立腺が肥大すると膀胱や尿道が圧迫されて頻尿、排尿困難(尿の勢い:尿勢が悪い、尿が出ない:尿閉)などの症状を起こします。前立腺は加齢とともに肥大していくため、前立腺肥大は中高年男性に多い疾患です。ただし、排尿障害の症状を起こす疾患は他にも数多くありますので、排尿に関するお悩みがありましたら、お早めに当院までご相談ください。

前立腺肥大症について

前立腺炎

急性前立腺炎では、尿道から侵入した細菌などによって前立腺が炎症を起こしています。性感染症によって生じることもあります。発熱、排尿痛、排尿困難、頻尿などの症状が現れ、悪化すると筋肉痛や関節痛、尿が全く出なくなる尿閉などを起こすこともあります。慢性前立腺炎は、急性前立腺炎が慢性化して発症することもありますが、血流の悪化やストレスによって生じるケースもあります。慢性前立腺炎では、頻尿や残尿感などの症状は比較的軽微なことが多く、下腹部の痛みや違和感程度の場合もあります。下腹部に慢性的な痛みや違和感があって消化器に問題がない場合は、泌尿器科を受診して慢性前立腺炎が隠れていないかを確認しましょう。

前立腺がん

日本では現在、前立腺がんの発症者数が増加傾向にあり、2018年の統計ではついに胃がんや大腸がんを抜いて男性のがん罹患数(がんと診断された患者数)が1位となりました。前立腺肥大症とは異なり、早期には自覚症状に乏しく、進行してはじめて頻尿残尿感、尿が泡立つ・臭うなど前立腺肥大と同じような症状を起こします。また前立腺がんは遺伝と関連があるため、ご家族やご親戚に前立腺がんや乳がん、卵巣がんなどの既往のある方がいらっしゃる場合、前立腺がんのリスクが高まります。前立腺がんには様々な治療法があり、それぞれにメリットとデメリットがありますので、医師とじっくり相談して最適な治療を選択することが重要です。なお、前立腺がんは腫瘍マーカーのPSA(前立腺特異抗原)検査(PSA検査)により早期発見が可能ながんです。採血だけで調べられるため、最近は人間ドックなどでPSA検査を行うことも増えてきています。当院では、PSA検査に関して検査当日に結果をお返ししております。前立腺がんのリスクが高くなる50歳を超えたら、PSA検査を受けることをお勧めしています。

前立腺がんへの取り組み

尿路結石

尿は腎臓でつくられ、尿管、膀胱、尿道という尿路を通って排出されます。結石は、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸など尿の成分が固まったもので、腎臓内の尿の通り道である腎盂にある間は症状を起こしませんが、尿管まで落ちてくると背中やわき腹、下腹部、腰などに激しい痛みを起こします。発熱や血尿頻尿排尿痛、吐き気・嘔吐などを起こすこともあります。尿管には特に細くなった部分があり、結石がその細い部分にはまると激しい痛みを起こしますが、場所やサイズによっては痛みを起こさないこともあります。ただし、痛みがない場合も腎機能障害を起こすリスクが高くなりますので、治療が必要です。自然排出を促す薬物療法による治療を行いますが、それでも排石が難しい場合には結石を破砕する手術が必要になります。

尿路結石について

尿路感染症

尿道口から侵入した細菌などによって尿路に炎症を起こしている状態で、感染を起こした場所によって尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎などに分けられます。男性は女性に比べて尿道が長いため、尿路感染症の発症が比較的少なくなっています。ただし、高齢になって前立腺肥大症がある場合、尿路感染症を起こしやすくなるため注意が必要です。また乳幼児の場合は発症の男女比に差はありません。発熱、お腹や背中の痛み、排尿時の痛み血尿などがある場合には速やかに当院までご相談ください。

膀胱炎について

急性尿道炎

性行為を介して感染する性感染症にはクラミジア感染症淋病、カンジダ感染症、性器ヘルペス梅毒HIV感染症などがあります。急性尿道炎を起こす性感染症では、クラミジア感染症、淋病によるものが多く、両方に感染している混合感染も増えています。淋病は男性の場合、強い排尿痛や黄色い膿の分泌といった症状が現れます。クラミジア感染症ではそれほど強い症状が起こらず、無症状の場合も少なくありません。オーラルセックスでも容易に感染します。性行為の際には最初から正しくコンドームをつけることが重要です。また、感染がわかったらパートナーにも必ず検査を受けるよう伝えましょう。

性感染症について

精巣上体炎

精巣上体は、精巣の上に乗っている臓器で、精液はここを通って精管から尿道に運ばれます。尿道から侵入した細菌が精巣上体まで到達して生じる尿路感染症が精巣上体炎です。一般的な尿路感染症と同様に大腸菌などによって発症することも多いのですが、クラミジア感染症淋病などの性感染症で精巣上体炎になることもあります。陰嚢内の腫れや痛み、発熱といった症状を起こします。炎症の原因を特定し、それに合わせた治療を行います。重症の場合には、入院による治療が必要になる場合もあります。なお、精巣は硬い膜に覆われており、精巣まで感染が及ぶことは少ないです。

精巣がん

発症率は10万人に1人程度ですが若い方の発症が多いがんです。陰嚢の中にある精巣(睾丸)に生じます。発症のピークが20~30歳代であり、全体の2/3が40歳以下の発症となっています。自覚症状として、左右の精巣のサイズが違う、精巣が腫れている、精巣の硬さが以前と変化した、精巣にしこりがあるなどがあります。比較的予後が良好とされていますが、初期でも転移を起こしやすい傾向があります。精巣に違和感があったら速やかに当院までご相談ください。なお、無痛性の腫れやしこりが初期に現れやすく、下腹部の違和感や鈍痛が起こることもあります。また、1割程度には急性の精巣痛が生じることもあるとされています。

腎盂腎炎

腎臓が細菌感染を起こしている状態で、高熱、背中痛、排尿痛血尿、尿の濁りなどの症状を起こします。膀胱炎や尿管結石、尿管がんなど、幅広い疾患によって生じることがあり、原因となる疾患により生じる症状は異なります。腎盂腎炎を放置すると腎機能障害を起こすリスクが高く、入院治療を必要とする場合や命に関わる場合もあります。こうした症状に気付いたらできるだけ早く当院までご相談ください。

腎嚢胞

腎嚢胞は腎臓内に袋状の組織ができている状態で、中には液体が入っています。腎嚢胞の発症原因はわかっていません。特に問題がないケースもありますが、悪性腫瘍が存在するケースや個数によっては腎機能への支障を生じる可能性もあります。腎嚢胞が発見された場合には、合併症の有無などをしっかり確かめることが重要です。なお、腎嚢胞によって腰痛を起こすことがあります。その場合、侵襲的な処置が必要になる場合があります。なお、再発を繰り返す場合には手術が必要になります。

腎臓がん

腎臓は血液をろ過してつくった尿を尿路に送り出し、造血・血圧・骨生成などのコントロールやビタミンの活性化にも関与している臓器です。腎臓がんは、尿をつくる組織にできるがんであり、男性に多く、透析治療を受けている方の発症リスクが高いとされています。なお、尿の通路となる腎盂にできるがんは腎臓がんには含まれずに腎盂がんと呼ばれて区別されています。
初期に自覚症状が出ることはほとんどなく、進行すると痛みや肉眼的血尿、腹部腫瘤などの症状を起こします。健診で受けた尿検査で尿潜血陽性を指摘されたら、速やかに当院までご相談ください。

神経因性膀胱

トイレが近い(頻尿)尿漏れがある、尿意がない、背中の痛みがあるといった症状を起こします。神経因性膀胱は、膀胱の知覚・運動機能が低下して、尿を溜める・排尿する機能に問題が起こっている状態です。尿が残った状態が続くと感染、腎機能障害を生じ、その症状で気付くケースもあります。なお、神経因性膀胱の原因疾患には、脳梗塞・脊髄損傷・パーキンソン病といった脳神経疾患、糖尿病、前立腺肥大症もあります。こうした疾患があって排尿に関するお悩みがありましたらお早めにご相談ください。

前立腺肥大症について

膀胱がん

血尿、健診の尿検査で尿潜血陽性などがあった場合には速やかな受診が必要です。膀胱がんは血尿で発見されることが多くなっています。膀胱炎のような排尿時の痛み頻尿、尿が泡立つ・臭うなどの症状を起こすこともありますが、痛みなどの症状はなく、血尿のみの場合が多いです。血尿があって他の症状がない場合は早期の膀胱がんが疑われますので、速やかに当院までご相談ください。なお、膀胱がんは男性に多いとされていて、喫煙や職場などで化学物質・染料などにさらされることで発症リスクが高くなることがわかっています。

包茎

包皮をむくことができない真性包茎、普段は包茎で包皮をむくことができる仮性包茎に分けられます。小児の真性包茎は成長に連れて自然に解消することがありますが、経過を観察して必要な場合には軟膏治療を行います。成長しても解消しない場合は、性交渉に支障を及ぼす可能性があるため手術を検討します。真性包茎の場合、陰茎がんのリスクが高くなると言われており、治療が必要です。仮性包茎は勃起した際に包皮が自然にむける場合、特に治療は必要ありません。ただし、勃起した際に包皮が陰茎を強く締め付けて戻せなくなる嵌頓(かんとん)包茎を起こした場合には、緊急手術が必要になります。

性感染症

オーラルセックスなどを含む性行為によって感染する疾患の総称で、クラミジア感染症淋病尖圭コンジローマ梅毒性器ヘルペス、毛ジラミ症、HIV感染症などがあります。性感染症では、排尿痛残尿感、尿道からの膿といった症状を起こすことが多く、かゆみや違和感、イボ状のできものが生じることもあります。ただし、男女で症状の異なる疾患が多く、同じ疾患に感染していても男性か女性のどちらかしか症状が起こらないことがあります。再感染を繰り返さないために、性感染症と診断されたらパートナーの受診も必要になります。性感染症には無症状でも将来の不妊や赤ちゃんへの感染を起こす疾患が多いため注意が必要です。

性感染症について

男性更年期

更年期障害は性ホルモン分泌低下を主原因として生じます。男性の更年期障害は、加齢による性ホルモン分泌低下を含む身体変化やストレスを原因とした諸症状と考えるとわかりやすいと思います。ほてり・のぼせ、突然の発汗、冷え、動悸、不眠、頭痛、めまい、耳鳴り、呼吸困難、肩こり、筋肉痛、関節痛、便秘、下痢、食欲不振、全身倦怠感、イライラする、性欲の低下、やる気が出ない(意欲低下)といった症状が現れやすく、頻尿、尿の勢い(尿勢)の低下、性欲低下、勃起力低下などの泌尿器症状を起こすこともあります。また、不眠、過眠、集中力低下、不安、抑うつといった精神的な症状が現れることもあります。採血によって男性ホルモン値は測定ができるため、こうした症状にお悩みでしたらご相談ください。

男性更年期について

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